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2021.03.12
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ジュラルミンは軽くて強い!材料特性と加工時における注意点まとめ

金属加工・機械設計ビギナーの人に役に立つ!
金属加工知識や材料特性って書いてあることが難しくて、いまいちピンとこなくて分かりづらいですよね。
今回のテーマは、アルミです。その中でもジュラルミンに絞って、特性や加工時の注意点などを確認しながら、専門知識や用語の理解を深めていきましょう!

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そもそもジュラルミンとは?

ジュラルミンと聞くと、銀色のジュラルミンケースのイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。あのジュラルミンというのはアルミニウム合金でできています。アルミといっても純アルミ(A1100)や汎用アルミ(A5052)は通常高い強度は持っていませんが、ジュラルミンの場合、銅が添加されているため高い強度があります。アルミの軽さ+強度が加わったことでその用途は一気に広がりました。航空宇宙機器、船舶部品、自動車部品、鉄道車両、金属バットなどにも使用されています。現在その種類は、A2017(ジュラルミン)、A2024(超ジュラルミン)、A7075(超々ジュラルミン)の3種類があります。

 

A2017、A2024、A7075の比重と強度

 
軽くて強いジュラルミンですが、それぞれの材料にどのような違いがあるのか数値をまとめました。
 

材料 比重 質別 引張強さ(N/mm2) 切削性
ジュラルミン(A2017) 2.79 T4 425
超ジュラルミン(A2024) 2.77 T4 470
超々ジュラルミン(A7075) 2.8 T6 570
アルミニウム
汎用アルミ(A5052)
2.69 H34 260
チタン2種(TP340) 4.51 340-510
鉄(SS400) 7.87 400-510
ステンレス(SUS304) 7.93 520

※上記数値は参考値です。使用環境などにより異なります。

比重

まず比重とは、材料密度と水の密度との比をいいます。1より大きい数値は、水に沈み、1より小さい数値は水に浮かびます。ジュラルミンの密度は、2790kg/m3 水の密度(4℃)は、1000 kg/m3 ですので、ジュラルミンの比重は 2790÷1000=2.79 となります。もちろん、水に沈みますね。それでも鉄やステンレスやチタンなどと比べても軽いことがわかります。

 

引張強さ

簡単に言い換えると「強さ」になります。引張るように力を加えていくと材料に負荷(応力)が発生します。その力がある点に達すると一度応力が低下します。この点を降伏点といいます。降伏点に達した時点から材料はスライムのように伸び変形します。それから応力が再び大きくなり、最大応力となる点を引張強さといいます。その後、材料は破断します。

引張強さ説明

上記の(表1)で材料の引張強さを見てみると、ジュラルミンは、鉄(SS400)やステンレス(SUS304)に匹敵する硬さがあることがわかりますね。

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切削加工性と材料短所の改善対策

切削性

A2017は長所として軽量、且つ鉄鋼材(SS400)に匹敵する強度があります。更に強度が高いのがA2024、更に強度が高いのがA7075といった順番になります。基本的に切削性は良好ですが、強度に比例し切削性が悪くなっていきます。またCuが入っていることで酸化しやすくなるため耐食性が悪い点が短所と言えるでしょう。

 

【対策】
耐食性を改善するためにA7072を表面に貼り付けたものなどを使用する、またはアルマイトなどの防錆処理を行う必要があります。

 

溶接加工性と材料短所の改善対策

 

溶接性

汎用アルミ、ステンレス、鉄と比べて、溶接性が劣ります。加工は可能ですが、特にA7075(超々ジュラルミン)は溶接性が悪く、割れが発生しやすいため溶接には不向きと言えます。

 

【対策】
7000系にはA7N01のような溶接に優れた材料として用いられるAl-Zn-Mg組成をもつ合金があります。(A7075などはCuを含有した強度に優れた組成:Al-Zn-Mg-Cu系)

 

まとめ

ジュラルミンにはA2017/A2024/A7075がある。
比重が軽く、鉄鋼材(SS400)程度の強度がある。
切削性は良好。
溶接性は悪いが、溶接加工に優れたAl-Zn-Mg組成を持つ合金がある。

 

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