SS400やS45Cなどといった鋼材を選定する際に、ミガキ材か黒皮材を指定する必要がありますが、ミガキや黒皮とは何を意味するのかご存じでしょうか?
どちらを選定するかによって、作業工程へ影響がでる恐れもあります。
本記事では、ミガキ材と黒皮材それぞれの特徴や違いについてご説明します。
ミガキ材とは、圧延加工された鋼材のひとつで、冷間圧延で加工されたものを言います。
その言葉の通り、ミガキ材は表面が磨かれたように滑らかできれいに仕上げられています。
冷間圧延は「冷間」と称されていることから冷やして加工するように見えますが、常温で加工を行います。
2本のロールを用いて材料を挟むように圧力をかけて塑性加工することを冷間圧延加工と言います。
冷間圧延加工では酸化膜と言うものが発生しないようになっているため、表面がキレイなミガキ材ができます。
一方、熱間圧延で加工される鋼材は黒い酸化膜に覆われることから「黒皮材」と言います。
ミガキ材の特徴としては、表面の滑らかさです。
黒皮材と比べて高価なミガキ材は、精度も黒皮材に比べて高いため、寸法精度を求められる場合に使いやすいです。
黒皮材よりもミガキ材の方が高価ですが、一般的に黒皮材を使用する場合はブラスト処理や酸洗いを行って黒皮部分を除去してからの作業になるため、コストや時間、加工内容などから、どちらを選択するか検討するようにしましょう。
黒皮材は、1000℃程度に加熱して熱間圧延加工を行います。加工後に鋼材が冷えていく際に黒さびが発生し、これが黒皮の正体であり、この黒皮をミルスケールとも言います。
性質以外の特徴としては、価格が安く、生産数も多いため、材料の入手が容易である点です。
ミガキ材と黒皮材の違いについて、以下にまとめています。
それぞれの特徴を押さえて、材料選定をするようにしましょう。
ミガキ材 | 黒皮材 | |
---|---|---|
圧延方法 | 冷間圧延加工 | 熱間圧延加工 |
見た目 | 表面は凹凸が少なく滑らかできれい | 表面は凹凸の多い黒皮(ミルスケール)に覆われている |
コスト | 黒皮材に比べて高価 | 安価 |
用途 | ・寸法精度を求められる加工 ・ワッシャーといった薄い部品 |
・ミガキ材の材料 ・精度を求められない加工 ・建材 |
本記事ではミガキ材と黒皮材の違いやそれぞれの特徴についてご説明しました。
ミガキ材は表面が滑らかな素材で黒皮材に比べて高価ですが、黒皮材は加工時に磨いてから使用することから、全体の工程によっては黒皮材の方が高いコストを要することもあります。
ミガキ材と黒皮材の違いを押さえておき、材料を選定する際に役立ててください。
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