加工をする上で加工物を固定、加工の案内をしてくれる役割を持つ治具は製造業に欠かせません。
そんな治具の加工や組立の際に重要となるのが位置決めです。
本記事では治具の位置決めについて、重要となるポイントや位置決めの方法をご紹介していきます。
そもそも治具についてよく知りたいと言う方は、下記の記事でご紹介していますのでご覧ください。
⇒治具とは?種類や使い方についてご紹介(https://www.agency-assist.co.jp/column/1232/)
そもそも治具とは加工をする上で、加工物を固定したり加工の案内をしたりするものを指し、治具を用いることで生産効率や品質の向上を図ることができるものです。
治具の位置決めとは、加工前に所定の位置へ治具をセットすることを指します。
治具の位置決めに不備があると、低品質な製品になってしまったり生産効率が下がったりする要因となるため注意が必要です。
こちらでは治具の位置決めで重要となるポイントをご紹介していきます。
治具を用いた加工物の多くは大量生産を目的としたものであり、完成品の品質や生産性が一定になるように繰り返し精度がでるようにしなければなりません。
位置決めをする際は、常に同じ位置に固定されるように工夫することが大切です。
治具は加工物や加工工具と近接することが多々ありますが、加工時に接触すると治具や工具、加工物の破損につながりかねません。
意図しないところで干渉しないように気を付けるようにしましょう。
ひずみやたわみが発生してしまうと品質や生産効率の低下につながることがあります。
固定方法によってはひずみやたわみも発生しやすくなるため、位置決めの際には気を付けましょう。
治具の位置決めの方法には種類があります。
それぞれの位置決めの方法についてご紹介していきます。
平面になっている面が3つ以上ある場合に有効な位置決め方法です。
基準面とは別に、2方向から治具を当てて位置決めを行います。
面当たりでの位置決めは面で加工物を固定するため、底面に小さいゴミなどが溜まって精度が落ちてしまうことがあるため、位置決めの面は基準面となる底面から少し浮かすようにすることが大切です。
面当たりと似ている位置決め方法として、点当たりでの位置決めがあります。
基準面となるのは同じく底面で、位置決め側が面ではなく点であることが特徴です。
加工物の各面がきれいな平面ではなかったり、凸凹していたりする場合には、点当たりでの位置決めが有効です。
1つの面で位置決めをする場合に用いるのがピンを用いた位置決めです。
加工物にあらかじめ穴をあけておき、基準面のピンに合わせることで位置決めができます。
加工物が円形の場合に有効な位置決め方法です。
V溝を用いて加工物を受けるように固定したり、上から固定したりといった工夫も必要です。
治具の位置決めについて、重要となるポイントや位置決めの方法についてご紹介しました。
治具の位置決めで重要となるのは以下のポイントです。
● 繰り返し精度がでるように
● 加工具との干渉が無いように
● ひずみやたわみが発生しないように
また、方法にも種類があり、面や点で位置決めしたり、ピンやV溝を用いたりすることもあります。
加工物に合った位置決め方法を採用するようにしましょう。
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